小学校のプログラミングって、どんな授業をしているの?

小学校のプログラミングって、どんな授業をしているの?

小学校のプログラミング授業の方法は、大きく分けると二つで

  • 普段勉強している教科の中でプログラミング(的思考)を扱う
  • Scratchなどのプログラミング教育ツールを使用する 

上記でお話したように、小学校でプログラミングが必修化になったとはいえ、プログラミングの科目が出来た訳ではありません。

一貫した授業内容は決められておらず方針は自治体によって違うため、小学校の先生方は手探りで授業をしている状態です。自治体によっては、質の高い教育の提供と教師の負担を減らすために、ICT支援員を学校に派遣している所もあります。首都圏に近い学校では、外部の企業や学校と手を取り合って力を入れている学校もあり、地方の教育格差はこのような所にも表れています。地方にいても首都圏近郊と変わらない、質の高い教育を受けられる環境にすることは、日本の大きな課題でもあります。

ケース① 既存科目の中でプログラミングを学ぶ

プログラムを動かすには3つの基本構造、「順次実行」「条件分岐」「繰り返し」があります。これらの動作は普段の授業の中でも行っていたりします。家庭科の調理もそうですし、理科の実験の中でも行うことが出来ます。
 
例えば、私たち親世代も記憶に残っているのが、理科で豆電球を点灯させた実験です。
私たちはこれを手動でつけたり消したりした覚えがあります。この動作をプログラミングで自動点灯させることが出来ます。この「自動で電気がつく・消える」の単純動作は、プログラムの最も基本的な構造で「順次実行」と言います。

参考文献・謝意:日経BP/小学生からはじめるプログラミングの本2022年度版

手動で電気がつく・消えることを実験した授業
手動で電気がつく・消える。これを「自動でつく・消える」とプログラムする(順次実行)。

さらに、暗くなったら点灯するという条件をプログラムすることが出来ます。光センサを使用して「明るさが〇〇値より小さければ点灯する」「〇〇値より大きければ点灯しない」という条件付きの命令を「条件分岐」と言います。

理科の授業で節電の仕組みを勉強した例
センサー付きのロボット。センサーが人を感知したらアームが下りて電気がつくというプログラムを組む(条件分岐)。
理科の授業で節電の仕組み(トイレの電気のように、人が入ると電気がつく・いなくなると消える)を勉強した例。

上記の命令に「繰り返し」という命令を加えるとさらにプログラミングっぽくなります。クリスマスのイルミネーションの様に「10秒間隔で点灯を繰り返す」という事も出来ます。
この様に、複雑なプログラムは3つ以上の条件分岐を用意したりします。

ケース② プログラミング教育ツールを使用した授業

こちらは、小学校の授業でよく使用される「Scratch(※)」というプログラミング教育ツールです。
プログラミングに使用される言語は英語なことが多いですが、英語がわからない年齢の子供たちでもゲーム感覚でプログラミングが出来るようになっています。

※Scratchとは…
Scratch財団がマサチューセッツ工科大学メディアラボ ライフロングキンダーガーデングループと共同開発する、8〜16歳のユーザーをメインターゲットにすえた教育プログラミング言語及びその開発環境。

Wikipedia

文部科学省は、このようなプログラミング教育ツールを使用することで、身の回りのもの(機器)が、この様に、人間に命令をプログラムされて動いているということに気づいてもらいたい。動かすには手順(プログラミング)があることに気づいてもらいたいとしています。

参考資料:【文部科学省】文部科学省のプログラミング教育の手引き(第三版)【文部科学省】小学校プログラミング教育の趣旨と計画的な準備の必要性について【文部科学省】小学校のプログラミング教育の在り方について

キッズプログラミング教室ピタゴラミンが行ったプログラミング授業の風景。
弊社が行ったプログラミング授業の風景。
小学校低学年でよく使われているプログラミング教育ツール、「Viscuit」を用いた授業風景
小学校低学年でよく使われているプログラミング教育ツール、「Viscuit」。